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緩和ケアチーム・緩和ケア外来 、多職種からなる緩和ケアチームで支援いたします。

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教授挨拶 greeting

教授挨拶

はしぐち 
(SAORI HASHIGUCHI,MD.,PhD.)

Professor Department of Palliative Medicine, St. Marianna University School of Medicine

私は2021年7月1日に初代教授に就任いたしました。
緩和医療は疾患による苦痛に苛まれる患者さんやご家族に向き合い全人的な対応をもって緩和する、医学の中では比較的新しい分野です。患者さんが医療を求めるのは苦痛を和らげるためですし、医療はその苦痛に向き合うところから始まりました。治癒の可否にかかわらず苦痛に向き合うことは医の根本であり、緩和医療はそれを支えるものです。「患者中心の医療」という言葉が聞かれるようになって久しいですが、実際のところは医療者が中心になってプロフェッショナルとして考えたものを患者さんに提供することが主流でした。しかし、医療の方向性としては本人の意思をもっと深いレベルで生かすことが必要と考えられており、「参画」へ向かって進んでいます。「参画」は、あらかじめ出来上がったものに加わる意味である「参加」とは異なり、計画立案段階から関わるような積極的なものを意味します。

橋口さおり

本来の意味での患者中心の医療を、多職種による学際的アプローチをもって実現していきたいと考えています。また、緩和医療では地域連携がとても重要です。患者さんやご家族にとって病院での医療者との関わりは人生のほんの一部でしかありません。緩和医療では生活を支える視点をもって診療を行います。質の高い緩和医療を切れ目なく提供する体制をこの地域で提供できるよう、この地域の文化にあった緩和ケア提供体制の構築を目標にしています。

一方、学問としての緩和医療学はこの20年程で長足の進歩をとげています。人間の苦痛は多様ですので、この領域には様々なバックグラウンドを持つ研究者が参画し、学問としての体系化が進んできています。痛みなどの身体症状や不安、抑うつなどの精神症状だけではなく、意思決定支援に関連することや緩和医療の教育方略、地域における緩和医療提供体制などが主な研究分野です。
また、緩和医療が医の重要な概念であることから考えると医学部における学生教育や初期研修医、専攻医に対する教育は重要です。専門的人材育成としては、こちらは日本緩和医療学会専門医の認定研修施設となっています。多くの症例に恵まれた大学病院であることや地域の中核病院としての利点を生かし、がんに限らずあらゆる疾患の苦痛に対応できる緩和医療専門医の育成を行います。

緩和医療における診療、研究、教育を含めてこの領域を先導できる講座となれるよう、努めてまいります。